健康番組「たけしの家庭の医学」で特集が組まれていた「老化ストップホルモン」が非常に興味深い内容でしたね。
昨今の高齢者医療にかかる費用の高騰により、個人個人が老化について真剣に取り組み、いかに医療機関にかかる割合を減らすための取り組は無視はできるものではありませんよね。
いつまでも健康で若い体を維持できれば医者にかかる必要もありませんから、老化の予防について真剣に考えたことで注目されたのが「老化ストップホルモン」です。
私達が日頃感じる様々な老化現象を症状別に対策を紹介してくれたのがこの特集でした。
人間の体は様々なホルモンにより体の調子が整えられているわけですが、数あるホルモンの中に全身の老化を防止してくれるホルモンが存在するとのこと。
それが老化ストップホルモン。
そこで老化ストップホルモンとは何なのか詳しく調べてみました。
番組の内容と交えてみていきます。
歳相応の人と若く見える人との差
番組内では55歳の女性5人と、見た目が若いモデルや女優を職業にしている55歳の女性の老化ストップホルモン量を測定したところ、歳相応の5人の13pg/mlに対して見た目が若い2人の女性は23pg/mlと明らかに差があったことが判明。
私から見ても顔やスタイルは確かに若く見えてとても魅力的に見えましたが、それよりも注目すべきは血管年齢や血圧、コレステロールなどが全て正常値の健康体であることです。
つまり老化ストップホルモンの量で見た目と健康体を決定づけると言ってもいいかもしれません。
確かに最近の高齢者は皆さん非常に若く見えてとても元気で過ごしていますよね。
昔なら高齢と言われた70代も今では「まだ若い」と言われることも少なくないですからね。
こういった高齢者の方達は皆さん老化ストップホルモン量が多いのかもしれません。
細胞の酸素取り込み能力の低下で老化が進む
老化とはいったい何を指すのか検証していました。
番組内で3人の若者が実験台になり、ある空間で3時間過ごした後に体力がどれくらい衰えるのかを実験したものでした。
まずは最初にどれくらいの体力があるか、3人に対して腕立て伏せや腹筋など、各々どれくらいできるのか行い、その後3人には知らせずにある空間で3時間好きなことをして過ごしてもらいます。
3時間の間にスマホをやってみたりボーとしていたりなど、通常の生活を過ごしてから、その後最初に行った腕立て伏せや腹筋など、同じ運動を行ってもらったところ明らかに衰えていたことが確認できました。
気なるのは3時間過ごした空間ですが、実はこの空間、標高4000mと同じ酸素濃度にした空間だったのです。
つまり酸素が少ない空間で3時間過ごすことで人間の細胞が通常の場所に比べて少ない酸素しか供給されない状態を故意に作ってどれだけ人の体が老化するのかを実験したものだったのです。
3人の若者は口を揃えて3時間で体がだるくなったと言っていました。
こうした現象で分かることは、人は加齢により細胞は徐々に酸素を取り込む能力が低下して、それに伴って全身の機能も低下して老化現象がおこるというわけです。
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酸素の取り込み能力を上げるグレリン
細胞が酸素を取り込む能力が低下してエネルギーを出すことが出来なくなるのが老化ですが、その老化を抑制してくれるとされている老化ストップホルモンが「グレリン」です。
1999年に発見された老化ストップホルモンの「グレリン」は、マウスの実験でもグレリンを投与したマウスは投与していないマウスに比べて格段に運動能力が優れていることも実証されています。
元々人工透析の先延ばしを目的として弱った腎臓に使用されているのが「グレリン」ですが、これが医学界で老化の予防にならないか注目されているんだそうです。
グレリンは胃から分泌されるホルモン
グレリンは胃から分泌されるホルモンで、グレリンが分泌されると脳の食欲中枢が刺激され食欲が増します。
ダイエットでよく取り上げられるホルモンで痩せた人達に体内ではグレリンは多く、逆に太った人の体内では少ないと言われています。
グレリンは空腹時に多く分泌される
ただこのグレリンが非常に高価で通常では健康体の人には使用されることは無いし、一般の人が手に入れることは出来ないそうです。
しかしグレリンは人の体内で安全にしかも簡単に作られるホルモンなんだそうです。
それはズバリ!
空腹時です。
それも「グ~~~」という音
実はこの音はグレリンの作用による音なんだそうです。
つまりグレリンがたくさん出れば出るほど胃を動かしてくれるので「グ~~~」と鳴るのです。
グレリンの分泌を確認してから食事を摂ることが、より多くのグレリンを分泌させる習慣だといいます。
グレリンの詳細は分かっていない
そんな頼もしいグレリンですが実は研究が始まったばかりで日本では研究が行われておらず、老化防止にどれくらい即効性があるのかまだ分かっていないそうです。
そこで番組内で年齢以上に老化を感じる64歳の視聴者に対して実験を開始。
老化の指標となる血液中の有害な老廃物を測定したところ正常値よりも多かったことを確認。
生活習慣を調べてみたところ、頻繁な間食をしていることが分かったそうです。
そこで間食を一切断ち、空腹を感じてから食事を摂るようにしたら老廃物の量が正常値に戻りました。
この実験で頻繁に間食を摂ることは空腹感を感じることが無いのでグレリンの分泌も低下してしまうということ。
つまり、老化ストップホルモンであるグレリンの分泌が抑制されてしまうので細胞自体が老化を早めているということです。
このことは当ブログでの記事体がだるい時に空腹を我慢してみる。で書いているように、生活習慣の中で空腹を我慢することがだるさを解消しているのと同じ考え方と言えますね。
日頃の食生活に空腹感を意識することで老化の防止が出来て元気になれるというわけです。
つまり頻繁にダラダラ間食するのではなく、三度食事と空腹感のメリハリをつけた食生活が重要なポイントということです。
老化ストップホルモンのグレリンの今後の研究に期待していきたいですね。