近頃何かと話題になっている「免疫力」ですが、何でも音楽を聴くだけで免疫力が上がり癌や生活習慣病を予防する効果が期待できると注目されています。
本当にそんなことがあるのか調べてみたら、どうやら医学的にも認められている事実のようで。
テレビの医学番組でもその道の専門医が出演して紹介していましたし、その解説を聞いていたら説得力があったんですよね。
かなり以前のことだったのでどのような理由だかは忘れてしまいましたが、未だにその類のCDや本が売れているようでアマゾンでも在庫を切らしている商品も散見されます。
いったいどうして音楽を聴くだけで免疫力が上がるのか調べてみました。
動物はもともと病を自然に治す力が備わっている
今でこそ医学が発達して癌や生活習慣病を治すことができるようになりましたが、昔の人は自然の力で治していたといいます。
それも当時は科学的根拠も全く知らずに、ただこうすると治るからというだけで処置していたのです。
これは東洋医学では「自然治癒力」といわれ、その力を引き出そうと考えられたのが音楽なのです。
音楽が副交感神経に働きかける
カナダのDaniel J. Levitin教授が音楽を聴くと神経科学的にどのような影響があるのか研究を進めていたところ、音楽は副交感神経に働きかけることが判ったとのこと。
副交感神経とはリラックスしている状態のときに優位になりますから、リラックスしている時には免疫力が上がると結論付けたそうです。
免疫力が上がるのはNK細胞が増殖するから
テレビの健康番組で癌細胞を免疫が攻撃している動画を目にすることがありますが、これこそ免疫システムのメカニズムで所謂、NK細胞のことをいいます。
NK細胞は私たちの体を監視している警察官みたいなもので、体内にウィルスや癌細胞を見つけては攻撃して死滅させる働きがあります。
音楽を聴くことでこのNK細胞が活性化して免疫力が上がると考えられています。
実際に複数の被験者に音楽と免疫力に関して実験を行い血液を採取したところ半数以上の被験者にNK細胞の活性化が見られたそうです。
NK細胞の活性化を助ける免疫グロブリンAが上昇
免疫グロブリンAはもともと体内にあるたんぱく質の一種で、血液や組織の中に存在しています。
免疫グロブリンAは免疫機能を活性化させる働きがあることからこの数値を高めることが免疫力を上げることができます。
よく免疫不全疾患に疑われるのが免疫グロブリンAの低下で、糖尿病やエイズに見られる現象です。
音楽は免疫グロブリンAの数値を上げる効果があるとされ、NK細胞をバックアップさせる働きといっても良いでしょう。
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ストレスホルモンのコルチゾールの数値が減少
コルチゾールとはストレスホルモンの一種でストレスが溜まると脳神経を刺激して記憶力が低下したり、ひどいとうつ病になったりします。
音楽を聴いてリラックスさせるとコルチゾールが減少してストレスも軽減され、免疫機能も正常化されます。
免疫力を上げる音楽のジャンル
免疫力を上げる音楽は、基本的には「f分の1ゆらぎ」を多く含む音楽が最も適しているといわれています。
「f分の1ゆらぎ」とは川のせせらぎやそよ風の音など、自然の中にある癒される音ということになります。
自然の音は頭の中にα波を出てきてリラックスしている時と同じ状態にしてくれるそうです。
その時の共通の波動が「f分の1ゆらぎ」ということです。
最近ではこのような自然の音だけを収録したCDが発売され、かなりの人気になっているようです。
自然の音以外ではクラシック音楽が良いとされ、特にモーツアルトの曲が最適だとか。
モーツアルトの曲は殆どが弦楽器でバイオリンやビオラ、チェロなどが多く使われていることから「f分の1ゆらぎ」にもっとも近い音なんだそうです。
またモーツアルトの曲は4000HZ付近の高周波音が多く含まれていて、よりリラックス効果をもたらしてくれるとのこと。
モーツアルト以外でもビバルディーの「四季」やヨハンシュトラウスの「美しく青きドナウ」でも良いといわれています。
聞くところによるとTSUTAYAでも「癒しのモーツアルト」としてコーナーを設けているみたいですよ。
自然の音だけを収録したCDと合わせてレンタルしてみてはいかがでしょうか。