変形性関節症とは、長年の関節の酷使で関節内部の軟骨が擦り減って骨と骨がぶつかることで激し痛みを伴う病です。
変形性関節症は「一次性」と「二次性」の2種類があります。
一次性は、長期間に軟骨が少しずつすり減って関節が変形することで起こり、二次性は、膝のケガなどの他の原因によって引き起こされます。
俗に言う膝の関節痛が多いですが、まれに肩や肘にも起こりうる病です。
一般的には高齢になるほど罹る割合が多く、医療機関を訪れない人を含めればかなりの割合で罹っていると言えます。
50代から痛み始め、60代になると60~70%、80歳以上ならほぼ100%が罹っていると言われます。軟骨がすり減るもっとも大きな要因は、長年の生活の中での関節の酷使が軟骨を消耗させてしまうことです。
たとえば典型的なのが膝関節です。
膝関節は家事やスポーツ、仕事など、生活の中で無意識に酷使しています。これを毎日行っているわけですから、高齢になれば変形性関節性になることは納得できますよね。
若いころなら新陳代謝も活発なので軟骨はすぐに再生できますが、軟骨は加齢とともに再生する能力が衰えてしまうのです。
高齢になれば軟骨は擦り減る一方で再生はほとんど望めません。以下に擦り減るのを防ぐかにかかっているのです。
ただ、近年の再生医療の発達で膝の軟骨を自分の脂肪を使って再生する方法も開発され、実際に日本でも行われています。
再生医療で「ひざの痛み」を治療する整形外科【東京ひざ関節症クリニック】で行われているそうで、治療効果も評判上々のようです。
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若くても変形性関節症になることがある
一般的には変形性関節性は高齢者独特の病ですが、まれに若い人でも変形性関節症に罹ることがあります。
同じ関節を酷使する仕事についていると若い人でも変形性関節症に罹ります。
たとえば、毎日同じ姿勢と同じ動き方で長時間作業をしている作業員や、プロ野球選手のように肩、肘、膝など、毎日のように酷使していると関節にかかる負荷が増して軟骨がすり減ってしまいます。
他には農作業、建設作業員、金属加工業、運送業など、膝関節を酷使する傾向にあるので、普通の人より若くして変形性関節症に罹ることがあります。
もっとも、関節を使わなければ変形性関節症に罹らないのかと言えばそうではありません。変形性関節症に罹らないようにするのであれば、関節の周りの筋肉を鍛えることが最も有効です。
ちなみに私は50歳を過ぎたあたりから膝関節に痛みを感じてきましたが、筋力トレーニングをするようになってからは痛みが無くなりました。
なのであまり関節を“過保護”にするのはかえって逆効果になるってことです。
ただし、あまり過激にトレーニングをするとかえって関節を痛めることになるので軽い運動に留めておくのが良いようです。
最近では「スロージョギング」と呼ばれるトレーニングが注目されているようで、膝関節が痛くて満足に歩けなかった70代の女性がスロージョギングを続けていたら痛みが消えて今では普通にジョギングができるまで回復したそうです。
方法は、ウォーキングのスピードでジョギングをすることで、踵から着地するのではなく、つま先で蹴ってつま先で着地することで関節への衝撃を和らげ、関節の周りの筋肉が鍛えることです。
こんな人が変形性関節症になり易い
変形性関節症になり易い特別な仕事をしている人は別にして、一般の人で変形性関節症に罹り易いのはどんな人でしょうか?
ここで変形性関節症に罹り易い人の共通点をいくつか挙げておきますので、自分自身と照らし合わせてみてください。
1.50歳を過ぎているか、そのあたり
2.若いころと比べるとかなり太った
3.過去に関節に負荷のかかるスポーツを長期間続けていた
4.女性で、すでに閉経している
5.癖のある歩き方をしている
6.姿勢が悪い
7.過去に骨折やじん帯を痛めたことがある
8.家族に変形性関節症の人がいる
9.骨格が歪んでいる
いかがですか?
半分以上当てはまる項目があったら早めに専門医で診てもらいましょう。早ければ早いほど対処も楽になりますから。
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変形性関節症だけではない関節痛
関節痛と言えば変形性関節症が最も多いですが、他にもいろんな病で起こることがあります。
「痛風」「肩関節周囲炎」「化膿性関節炎」「大腿骨顆骨壊死」があります。
痛風は“贅沢病”ともいわれ、食生活が偏っている人に多くかかる傾向があります。関節に激し痛みを伴う病で、ある日突然襲われることが多いそうです。
肩関節周囲炎は俗に言う「五十肩」「四十肩」のことで、老化によって引き起こされる病と言われています。原因がはっきりと判っておらず、不思議なことに時間がたつと治ってしまうんですよね。
化膿性関節炎は関節内に細菌が侵入して化膿する病で、膝や肘・肩・股関節といった部位に発症ししゃすいと言われています。
大腿骨顆骨壊死は何らかの要因で大たい骨への血流が悪くなって、骨盤と連結している「骨頭」が壊死してしまう病です。
稀に元気のいい5~7歳の子供が発症することがあり、別名「ペルテス病」とも言われています。どういうわけか膝に激し痛みを訴えてなかなか発見できないこともあるようで珍しい病とされています。
今のところこれといった治療法はなく、3年くらいかけて骨が再生するのを待つことが最も体への負担が軽いとされています。
しかし3年間も体の自由が制限されてしまうとなると精神衛生上よろしくないと訴える専門家もいて、痛い時だけ安静にしていれば普通に生活しても良いと指導しているようです。
実は私の息子が6歳のころペルテス病に罹り、1年くらい松葉つえで生活していたことがあります。
最初は地元(名古屋)の接骨院でペルテス病の診断を受けて、患部に負荷がかからないように松葉づえを使用していましたが、元気な子供が素直に従うはずもなく経過も順調とは言えませんでした。
そんな中インターネットで横浜でペルテス病の権威?みたいな専門医がいたので新幹線を使って相談に行ったことがあります。
その先生が言うには、松葉づえを使っても手術で骨を固定しても、骨が再生するまで安静にすることは逆効果だと言っていて、結局は痛い時だけ安静にしていればそれ以外は普通に運動しても良いとのことでした。
その先生の指導を素直に受け入れてから15年経ちますが、息子はペルテス病も完治して今では普通に生活しスポーツもスキーやスノボをしています。
時々痛むそうですが、生活に支障をきたすことは無いようです。
このように関節痛には様々な要因から来るものがあるので、もし関節に何か違和感があれば早めに専門医に診てもらった方が良いですよ。