副腎疲労で病気になる

ストレスがさまざまな病を引き起こすことはよく知られていますが、それには副腎疲労が大きく関わっています。

というのも副腎はストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌してストレスを緩和させようとするからです。

ところが、ストレスが過多になると副腎がオーバーワークになってしまい疲れてしまいます。

これを副腎疲労と呼んでいますが、ストレスに対抗できなくなりさまざまな病を引き起こすことになります。

ストレスが怖いというのはこうしたことがあるからです。

副腎疲労が回復する食べ物では副腎疲労とストレスの関わりについて触れていますが、ここではストレスの強度がどのくらいになると病気になるのか見ていきます。

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社会生活の中はストレスだらけ

私達が生きていくうえで避けられないのがストレスで、精神面でも肉体面でも日々無意識のうちに受けています。

ストレスを受けると身体はすぐに防御態勢にに入り、ストレスに負けじと血糖値や血圧が上昇して頑張るのです。

しかししばらくはこの状態を維持することが出来ますが、あまりに長期間続くと免疫力が低下したり、内臓の機能が低下してさまざまな病を引き起こしたり、精神疾患を引き起こしたりします。

そんなストレスを最も受けるのが副腎と言われており、ストレスの大小によりコルチゾールの分泌量も違ってきます。

たとえば、朝忙しい時に焦っているとコルチゾールが大量に分泌され時間に余裕をもってゆったりと過ごしていればコルチゾールの分泌量も適量ということになります。

つまり1日のスタート地点である朝に忙しくしているだけで副腎の疲労が始まっているといえます。

さてストレスとひと口にいっても実にさまざまで、対人関係や家事、仕事などの社会的ストレスから、暑かったり寒かったりする環境ストレス、怪我、激しい運動などの生理的ストレスなど、人が生きていく中で何らかのストレスはつきものですよね。

ところが、多くの人は「そんなことは当たり前」とばかりにストレスにはけっこう無頓着といいます。

ストレスに対する耐性は個人差があり、人は「あの人は打たれ強い」などと簡単に片づけてしまいがちです。

ストレスの強度で病気になる確率が計算できる

そこである生理学者が考えたのが「社会的再適応評価尺度」というものがあり、未の周りのストレスの強弱を数値で表すものがあります。

それがコレ
  ↓
社会的再適応評価尺度

この一覧表は配偶者の死を100、結婚を50として日常のさまざまなイベントがどのくらいの強度でストレスを受けるのかを示したものです。

これらのストレスを1年間のうちに体験して数値の合計が200を超えると、何らかの病気にかかる確率が50%以上になるというものです。

ちなみにストレス強度の合計値が150なら病気にかかる確率は30%、300点以上だと80%の確率で病気になると言われてます。

これを見ると離婚や身内の死などをきっかけに何らかの病気にかかることが多いという理由が分かりますね。

 

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ストレスで病気になるのは3つの段階がある

ストレスと病の関係についてこれまでの研究によると、人の身体がストレスを受けてから病気になるまでには3つの段階があるといいます。

それは

1.警告反応期

ストレスを受けると体重が減ったり、血圧の低下、血糖値の低下、胃潰瘍になったりと、まずこの段階で起こるといいます。

この期間の後半になると血圧や血糖値が上がり、神経や筋肉の活動が緊張感を増します。

この時に副腎が活動を始めるとされています。

例:仕事で上司に叱られて一時的に落ち込んでもすぐに立ち直る状態のようなこと。

2.抵抗期
警告期反応期が過ぎたこの期間になると副腎がフルに活動するようになり、コルチゾールの分泌が始まります。

この期間にストレスを上手くコントロールできれば副腎への負担も軽くなり、次の段階に進むことは無いのですが、ストレスの強度が大きすぎて対応できなかった場合には身体が耐えきれなくなり次の段階に進みます。

例:仕事で失敗したときにその対処法というのを承知しているため、いわゆる耐性が出来上がり最初ほど混乱することが無くなる

3.疲労期

この段階になると血圧や体温は低下して、筋肉や神経の働きも低下し、うつ状態に陥ります。

副腎疲労の兆候が現れるのは、この「疲労期」という最終段階に達してしまった時で、免疫力が低下してさまざまな病気にかかることが多いといいます。

この時期になるとそれまで必死に働いてコルチゾールを分泌してきた副腎も力尽き、ストレスを抑制するコルチゾールのも分泌できなくなるといいます。

例:何度も失敗して自信を無くし、仕事場に行くことさえ億劫になったり、嫌なことが耐えられなくなる。

これら3段階のうち、2.抵抗期と3.疲労期の期間に病気になることが多いといいます。

上の「社会的再適応評価尺度」においてストレス強度によっては、一気に3.疲労期の状態になったり、ストレスが継続されることで、2.抵抗期の状態のまま耐えることが出来る人と、しだいに3.疲労期へ移行する人など様々です。

いずれにしてもストレスをコントロールできずに放置しておくとこうした警告が症状として現れるので早めの対応が必要ということですね。

よく「疲れが溜まっている」と言われますが、それは身体が疲れているのではなく、脳が疲れていると考えたほうが良いと言われています。

脳を休ませるためにも世間でいう独自のストレス解消法を見つけて気分転換を図るということがいかに重要かということです。

副腎疲労も実は脳が支配しているということです。

こうして副腎は私達の命を守ろうと、さまざまな症状を発して警告してくれているのでしょうね